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徒然雲峰上記

語学赤点!海外視点? 008 言葉は使わないと錆びる

 ほうふ日報さんで掲載してもらった「語学赤点!海外視点?」というコラムの連載の続きを見たいという方のためにこちらに書こうと思っています。

語学赤点!海外視点?
元・青年海外協力隊/現・人財育成講師 権代 祥一
(2020年6月30日(火)ほうふ日報掲載)
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008 言葉は使わないと錆びる
 使わない鉄の道具と同じで言葉も錆びてしまいます。フィリピンを離れて18年経過しました。英語を使う機会はほとんどないので、以前のように口がなめらかに回りません。
 最近、コロナで引きこもっていると、久々に電話がかかってきても言葉が出てこなくて、日本語も下手になってしまったなぁとがっかりしてしまいます。
 ベトナムに8年いたのでベトナム語はペラペラでしょうと聞かれるのですが、残念ながら挨拶くらいしかできません。ベトナム語は発音が難しくて、母音が12種類あります。それに声調が6種類なので単純に計算すれば72種類の母音があります。微妙な違いで全く違う言葉になります。最初、ベトナムのホーチミン市に旅行で行った時にガイドブックに載っていたベトナム語で話していたら通じたので、そんな気持ちでハノイに来たらハノイの人達は冷たくて私の喋る言葉をゲラゲラ笑って、何度も喋ると分からないからあっちへ行けと言って怒り出しました。ホーチミン市では理解できるまで一生懸命聞いてくれたのですが、ハノイでは全く態度が違います。そんなハノイで3ヶ月間ベトナム語を勉強してみたものの、発音が難しくてできず、巷では笑われるだけなのでモチベーションが下がり、勉強を止めました。英語はほとんど通じなくて、通じても発音がベトナム訛りです。こちらも日本訛りの英語ですれ違いになりました。例えば、トレーニングがベトナムでは「チャイニン」になり、持ってくるブリングが「ブジンジ」になります。それでほとんどが英語で筆談になりました。そして、最後の手段はボディランゲージか絵図です。でも、結局、日本語がわかる人達が周囲に増えてくれてかなり助かりました。帰国間際はグーグル翻訳が大活躍していました。
 言葉はコミュニケーションの道具です。使わなければ錆びるだけです。でも、コミュニケーションが目的なら言葉という道具を選ぶ必要はありません。創意工夫して全身をフル活用すれば同じ人間同士意志は通じるものです。(了)



by gonsyo | 2020-07-31 21:42 | 語学赤点!海外視点?
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